本館 14F
すし
おたる政寿司
店内に一歩入れれば、そこは小樽
北海道から空輸で届く
厳選素材を握りで
海に囲まれた港町で、“お寿司の名所”としても知られた北海道小樽市。寿司店が100軒以上集まる中、特に有名なのが老舗の「おたる政寿司」です。名店の味を東京でも食べられると人気の、おたる政寿司新宿店。店長にお話を伺いました。
HISTORY
おたる政寿司の歴史
観光名所「小樽寿司通り」発祥の店
おたる政寿司の創業者、初代の中村正之助(しょうのすけ)は北海道出身。20歳の時「日本一の寿司職人になる」という夢を掲げて東京に渡り、浅草で修業を積みました。その後、北海道に戻り、1938年に開業。この店は本店として半世紀以上を超えた現在も営業を続けています。
戦後の復興期に「港町・小樽の新鮮な魚介を握る寿司」というスタイルが評判となり、おたる政寿司は大繁盛しました。その後、正之助の長男の全博氏(現会長)が後を継ぎます。2代目は近隣の寿司店と協力し、「小樽寿司通り」を作って地元を盛り上げました。今では、小樽の観光名所になっています。また全博氏の時代から、初代存命中の夢でもあった魚や海に感謝の気持ちを伝える儀式「魚供養感謝祭」も、近隣の寿司店とともに毎年行っています。
「高品質のお寿司を気軽に楽しめる」と
評判に
また2代目は、初代が作った「一見客お断りの高級寿司業態」から間口を拡大。ネタや寿司の品質はそのままに、店内にメニューを掲示して明朗会計を取り入れ、カウンター席から個室、テーブル席も設けて、お客様を幅広く受け入れる店へと変えました。
現在は、寿司店が100軒以上集まる小樽でも王道的存在となり、2010年に東京に進出。小樽で2店、東京で2店(銀座店とタカシマヤ タイムズスクエアの新宿店)を営業しています。ちなみに「政寿司」と名乗る寿司店は他にもありますが、「おたる」が付くのは同店のみです。
PROFESSIONAL
こだわり
北海道発の「蝦夷前寿司」を提供
おたる政寿司がこだわっているのは、なんと言っても「小樽の味」。東京にいながら、新鮮で高品質の北海道産のネタを楽しめることが特徴です。東京の「江戸前寿司」に対して、おたる政寿司で出すのは「蝦夷前(えぞまえ)寿司」。冷蔵庫など保存の手段がなかった江戸時代、東京湾で獲れた魚をヅケや煮付けにして、寿司職人が仕事をした(=保存にひと手間をかけた)ネタを握ったのが江戸前寿司です。おたる政寿司では、北海道産のホタテやバフンウニ、イクラ、ニシン、エゾアワビ、ボタンエビなどの季節ごとの海産物を、極力手を加えず寿司にしています。素材の持ち味を引き出した蝦夷前寿司は、同店ならではの味です。
鮮度抜群のネタを地元から空輸
現在、都内の多くの寿司店では豊洲市場からネタを仕入れていますが、同店では店で使う素材は徹底して北海道産にこだわり、鮮度抜群のものを北海道からすべて空輸して使っています。お客様には「とろけるような味わい」「うなるような旨さ」と大好評。
小樽の漁師が船上で食べていたものをヒントにした、名物のお造り『いかそうめん』(細切りのイカを、卵黄とウニを溶いたつゆで食べる料理)をはじめ、寿司のネタも小樽を感じられるメニューがそろっています。この味に取りつかれ、週2回通うお客様もいるそう。小樽の伝統工芸品の、美しいガラス細工が並ぶ店内もムードがあり、東京にいることを忘れそうになります。
CHEF
料理長紹介
寿司を握り、背景にある物語まで
伝えるのが仕事
ベテランの寿司職人の加瀬さん。実はおたる政寿司の出店以前、同じタカシマヤ タイムズスクエアにあった別の寿司店で働いていました。しかしその店が移転。当時の常連さんとのご縁が忘れられず、おたる政寿司に途中入社し、再びタカシマヤで寿司職人として再出発したというユニークな経歴をお持ちです。
「寿司職人の仕事は、調理と接客の両方です。寿司を握り、ネタの旬や味の特徴など物語も伝えられなければいけません。お客様とお話し、最後に『美味しかった、また来るね』と声をかけていただくことが寿司職人としての喜びです」(加瀬さん)
SHOP INFO店舗情報
すし おたる政寿司
2024年1月更新
料理の価格・内容は、上記更新日時点のものとなります。
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