本館13F
そば処
総本家 小松庵
ファンが長年評価する
そばの味と、
斬新でスタイリッシュな内観
伝統的な江戸前流の十割そばを手打ちで提供する「生粉(きこ)打ち」にこだわり続ける総本家 小松庵。しかし店内に一歩入ると、フレンチシックでモダンな内観にびっくり。従来の「おそば屋さん」の概念が変わる、楽しく驚きあるそば店、小松庵の魅力を紹介します。
HISTORY
総本家 小松庵の歴史
大正初期に駒込で創業、
時代の波に乗りながら店を大きく
「総本家 小松庵」(以下『小松庵』)は大正11年(1922年)、東京の豊島区駒込で開業。初代・小松鶴一氏(現社長の祖父)が妻と始めた出前中心の小さなそば店で、当時はそばだけでなくうどんやラーメンも提供していたそうです。その後、1970年代にはファストフードやファミリーレストランの外食チェーンが台頭。息子で2代目の小松茂氏は時代を読み、百貨店やショッピングモールなど商業施設内への出店を進めました。職人気質の初代とは衝突もあったそうですが、その後3代目の孝至(たかし)氏が引き継ぎ、駒込の本店以下、銀座や丸の内、新宿といった東京のターミナル駅に構えるまでになりました。
「味と人材育成」を支える
社内機関「蕎学舎」
創業以来こだわり続けてきたものは「そばの味」と「人材育成」です。それを強化するため2010年、駒込に独自の施設「蕎学舎(きょうがくしゃ)」を設立。専用の台が並ぶ調理場で江戸前流の正しいそば打ちを教えています。また玄そば(殻付きのそばの実)を保管したり、そば粉の製粉やつゆの製造を行ったりする部屋もあり、ここで作った新鮮なそば粉を毎日、小松庵全店に配送しています。この施設内に部外者が自由に立ち入ることはできませんが、今後はそばや小松庵の歴史を紹介する博物館として、一般公開することも検討中です。
新宿高島屋店はタカシマヤタイムズスクエアのオープンと同じ1996年に開業。店内に小上がりのある伝統的なスタイルでしたが、2回のリニューアルを経て現在はシックな土壁にシャンデリアがかかった洋風に。これは洞窟をイメージしたもので「人は古来から、ほら穴やかまくらなど、穴の中に集まると和やかな空気が生まれる」という3代目のアイデアをいかしたものだとか。
PROFESSIONAL
こだわり
他店の追随を許さない
「生粉(きこ)打ち」そば
小松庵のそばは、「生粉(きこ)打ち」でさらに「手打ち」が基本です。
一方、一般的なそば店で「二八(にはち)(=小麦粉2割・そば粉8割)」のそばを提供する場合が多く、小松庵のように「十割(=つなぎを入れない、そば粉10割で作ったそば/『生粉打ち』)」と「手打ち」の両方を徹底して提供するのは非常に難しいと言われています。
またボソボソしている、硬い、とネガティブなイメージを持たれがちな十割そばですが、小松庵のそばはのど越しがよくなめらかで、「こんなにおいしいそばは食べたことがない」とお客様から声をかけられることも。小松庵のそばのファンで、駒込本店のほか、各店を回り“小松庵はしご”をする方や、20年以上通い続ける常連の方も少なくないそうです。
十割そばの力強さを引き立てる
「辛すぎない」つゆ
小松庵にはつゆにもこだわりがあり、江戸前流にはめずらしい「辛すぎず少し甘め」が基本。この味が十割そばの風味を最も引き立てます。配合やレシピは社内の一部の人間しか知らない秘密事項ですが、原料のカツオ節は仕入れた後に蕎学舎内で数年寝かせて熟成させ、さらに建物の屋上で天日干しにしたものを削って使うなど、蕎学舎で丁寧に自家製したものを小松庵全店で提供しています。つゆの味はそれぞれの時代や環境、季節に合わせて定期的に味を調整しています。
CHEF
料理長紹介
自分磨きでスタッフ同士もリスペクトを
人材育成に力を入れているのが小松庵の特徴。そばの打ち方など技術指導は蕎学舎で行っていますが、さらに一人の時でも文学や芸術を通じて自分を磨き、今の飲食業界に足りない「スタッフ間でリスペクトし合う空気を作る」のが現社長の方針です。今回インタビューに答えてくださった料理長の成田さんに、現在までの足跡や自己研鑽の方法を伺いました。
成田さん:「卒業後から小松庵のそば職人一筋20年、自分が料理長を勤める店で20年前、就職面接を受けたのが昨日のようです。最初に付いた料理長にそばや天ぷらを教わり、料理の魅力に取り付かれましたが、何年経っても改善したいことが新たに見つかります。一つずつ答えを見つけながら小松庵の良さをもっと広めたいです」
SHOP INFO店舗情報
そば処 総本家 小松庵
2021年2月3日更新
料理の価格・内容は、上記更新日時点のものとなります。
※食物アレルギーがご心配なお客様は、スタッフにおたずねください。